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コラム ~燈々無尽~

燈々無尽

このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。

第14回

~減塩は味覚の改善から~

管理栄養士 有藤多津子
高千穂町広報誌2015年2月号掲載分

「食事の味は如何ですか?」
『やっぱ薄味じゃな~。』、『病院じゃから薄いかと思ちょったら丁度いいよ。』
これは入院されている患者さんの食事の様子を聞くために病棟を回る時の私と患者さんの会話です。病気によっては減塩の食事を提供し、特に必要のない場合は標準的な塩分(一日9g以内)で食事を提供しているのですが、減塩食だからと言って必ず「薄い」と言われるとは限らず、標準の食事の患者さんでも「病院じゃき薄いっちゃろな。」と言われる事がよくあります。つまり、味が「薄い」、「濃い」はその人の馴れ親しんだ味覚によるところが大きいのではないかと思います。
 減塩は高血圧治療や予防の第一の必要事項であり、高血圧は動脈硬化を引き起こし、脳血管障害、心臓病、慢性腎臓病、糖尿病など血管への障害リスクを増大させる疾患です。
町立病院で行う食事指導の多くが慢性腎臓病や糖尿病ですが、高血圧症を併存されている方が殆どです。
栄養指導を行う際には減塩指導は欠かせませんが、常日頃から減塩を心がけ、薄味の味覚を作る事が病気を予防する大きな第一歩だと思います。
子供の頃から薄味に親しんでおくことが将来の疾病予防への早道ですが、大人になってからでも減塩の工夫や努力を重ねる事で味覚を薄味に変える事が可能だと思います。
「薄味」イコール「まずい」でなく、本来の食べ物の味と美味しさが分かる食べ方です。
食習慣を見直し、素材の美味しさを楽しめる味覚へとチャレンジして欲しいと思います。

☆減塩の為の食事の見直しチェック☆
①汁物は一日一杯
②漬物は控えめに
③麺類の汁は残す
④刺身などは醤油をかけずに小皿に入れて付けて食べる。調味された料理には更に醤油やソースをかけない。

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