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コラム ~燈々無尽~

燈々無尽

このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。

第4回

『ピロリ菌』のはなし

内科医 押方 慎弥
高千穂町広報誌2013年11月号掲載分

最近、テレビのCMなどで「ピロリ菌」という名前を聞くことが多いと思います。では、ピロリ菌って
いったい何でしょう? 簡単にいうと胃の中に住んでいる悪ーい細菌で、日本人は約5000万人(2.4人に
1人)がピロリ菌に感染しています。ピロリ菌に感染するのはだいたい12歳くらいまでで、昔は井戸水
などから感染してそのまま大人になる人がほとんどでしたが、現代ではお母さんからの食べ物の口移しや、
同じスプーンや箸を使うことによる感染が多くなっています。大人になると免疫が発達するので、15歳
以降の感染は稀といわれています。
では、ピロリ菌はどんな悪さをするのでしょうか? これまでの研究によりピロリ菌に感染している
人のうち約8%の人が胃癌になると考えられています。ある研究では日本人のピロリ菌を全て退治した
場合、今後40年で胃癌死亡者が35万人減ると予測されています。1994年には世界保健機構(WHO)
の研究機関がピロリ菌の発癌性を認めており、この危険性は喫煙やプルトニウムと同じレベルです。
また、ピロリ菌が悪さをするのは胃癌の発生だけではありません。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の大半も
ピロリ菌が原因となっていますし、蕁麻疹や貧血の一部にもピロリ菌が関係しています。これらを考え
ると、ピロリ菌を退治することが大切だと分かりますよね。ピロリ菌を退治するためには3種類の薬を
1週間飲む必要がありますが、成功率は70%くらいです。まずは自分がピロリ菌に感染しているか検査
してみましょう! 詳しくは病院にご相談下さい。

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