燈々無尽
このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。
第8回
成長期のスポーツ障害について
整形外科医 長澤誠
高千穂町広報誌2014年4月号掲載分
小学校高学年から中学校にかけての二次成長期は身体発育の上で非常に重要な時期です。身長が伸びるときはまず、骨自体の長さが伸びます。その後、骨の量(骨密度)の成長が起こります。筋肉は両端がそれぞれ骨についているため、骨の伸びを後追いする形で伸びます。
そのため、成長期では骨は弱く、筋肉は引っ張られ硬い状態であることが多いです。
その状態でスポーツを行うとどうなるのでしょうか?骨が弱いため疲労骨折が起こりやすくなり、筋肉が硬いため筋肉自体を傷めたり、筋肉が骨を引っ張りすぎて成長期特有の膝やかかと等に痛みを起こす『骨端症』を起こしやすくなってしまいます。
一過性のもので終わればいいですが永続的に後遺症を残すケガもあります。
そのためにしっかり予防することが大切です!
まず練習が終わって痛いところがあれば冷やしましょう(アイシング)。氷をビニールに入れて15~30分しっかり冷やしてください。
そして、しっかりストレッチをしましょう。全身の筋肉をゆっくり伸ばしてあげて体を柔らかくすることが大切です。メジャーリーガーのイチロー選手が試合の合間にストレッチをしている姿をテレビでよく見ます。とても柔らかい体をしています。あれがケガせず、長く現役を続けられる秘訣です。
いいコンディションでケガなく、痛みなく、スポーツを楽しんでください。そして大人になっても一日でも長く続けていってください。