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院長の部屋

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病院長の画像

平成31年4月 新年度を迎えて

 高千穂町国民健康保険病院のホームページへお越し下さいまして、ありがとうございます。

 今年度は内科医師の異動がありました。3月まで当院で勤務した黒木大介先生、黒木美穂先生は4月から、宮崎大学医学部附属病院に、興梠智子先生は国民健康保険西村診療所に異動になりました。高千穂町の皆さんには、3年間お世話になりました。代わって内科には、石原和明先生、石原あやか先生が来てくれました。既に、内科の重要な戦力として頑張ってくれています。

 高千穂町の広報誌にも書きましたが、私が当院に赴任して、4年になりました。 最初は、3人の外科医がいて、年間53例の手術を行いました。前年より6%増えました。しかし、大学から派遣の外科医が1人減って、その後にベテランの外科医も退職しました。外科の手術には、術者と助手、それに麻酔担当医の少なくとも3人が必要ですが、外科医の減少は全国的な問題となっており、近隣の病院でも、手術を中止した施設が数多くあります。

 以前勤務していた病院では、多いときは年間260例の手術に入って、そのうち110例以上で術者となりました。食道癌や肝臓、胆のう、膵臓領域の癌の手術も行いました。ですから、今、前述のような理由で手術ができないのは残念です。しかし、高千穂に足りないのは外科医だけではありません。透析科も内科も、その他の診療科も足りていません。内科は現在、4名いますが、定着医は1名だけで、他は自治医大卒の医師を宮崎県から派遣してもらっているのが現状です。

 昨年、外科では84件の点滴の抗がん剤治療を行いました。飲み薬も含めると、もっと多くなります。手術は通常、1回の入院ですが、抗がん剤治療は、長い人では3年以上続ける方もいらっしゃいます。当院では、抗がん剤の調合に薬剤師が関わり、安全な抗がん剤治療を行っています。また、昨年だけで、年間121 例の外傷などに対する局所麻酔の手術を行いましたし、腹痛の原因などの診断がつかない人、外科手術の適用があるかどうかわからない人などが、院内外から紹介されてきます。その他に、手術後の患者さんがリハビリのため転院して来られ、それらの患者さんの術後の創感染、肺炎の治療も行っています。

 また、大腸ポリープの治療のうち、EMR (内視鏡的粘膜切除術)は当院内科で行っています。(ESD【内視鏡的粘膜下層剥離術】は特別な機械や、技術を必要としますので、以前から他の病院に紹介していました)

 高千穂町で外科の手術ができないためご迷惑をかけますが、可能なことは、できるだけやっていきますので、これからもよろしくお願いいたします。

 以前にも述べましたが、病院に隣接する保健福祉総合センター(げんき荘)で、生活習慣病における医療・地域連携会議を開いています。検診のデータでは、高千穂町でヘモグロビンA1c(糖尿病診断の目安になります)の平均値が、宮崎県内の市町村で最も高くなっていました。糖尿病から糖尿病性腎症になって、重症化すると慢性腎不全、透析になる事はよく知られていますが、糖尿病のない慢性腎不全の患者さんも多いようです。腎臓病の予防法(血圧の管理、肥満の予防、適度な運動など)については、全国腎臓病協議会のホームページなどにも載っていますので、参考にされてください。げんき荘の保健師たちは、重症化予防を目的とした訪問も行っています。げんき荘とも連携して、心不全や透析になる前の段階で、重症化を食い止められればと思います。

 本年度も、皆さんが気持ちよく、安心して町立病院を利用していただけますよう、職員一同、頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。

平成31年4月
病院長 久米 修一

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