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院長の部屋

ごあいさつ

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2013年1月 新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

今回の院長挨拶は、職員向けに行った仕事始め式での挨拶をホームページ用に若干の修正・加筆を加えたものをアップさせていただきます。

今年は町立病院が1951年、昭和26年に診療所として開設されて、創立62周年になります。調べたところ、私が院長として7代目でした。ラッキーセブンの院長として幸運を呼び込みたいと願うところです。年末・年始休暇中の病院は救急車の搬入や外来、入院や亡くなった方も少なく、おおむね平穏だったようです。

さて、28年間の長きにわたり、院長として貢献してこられた柴田前院長から、昨年4月に病院を引き継いで9か月間「改革なくして成長なし」の方針でやってきました。この方針は、着任後の職員面接で、ほとんどの職員が、「何らかの改革が必要」と答えてくれたことで、信任が得られたと判断し、基本的に今年も続けていきます。

今年のもっとも大きな活動目標は、平成26年の病院機能評価受審に向けた院内部署・組織の整備充実です。早速、リーダー、サブリーダーを任命し、プロジェクトチームを立ち上げ、その準備に入ります。また、院内各部署の業務を定期的に見直し、改善してもらうために、今年から院内学会を開催します。しかし、あくまでも、病院の「医療の質」はイコール「職員の質」でもあるので、職員には自己研鑽に努めていただきたいと思います。

今後の改革は昨年の職員アンケートで判明した「職員が考える今後の病院の課題」に基づいて進めていきます。トップスリーは①病床機能の見直し、②人材確保・研修システム強化、③外来患者満足度向上でした。病床機能の見直しに関しては、現実には療養型の入院が常にあるため、2病棟の一部を療養型病床へ転換できないか、検討中であります。また、10対1看護体制の維持ならびに入院収入を効率的に確保するために在院日数と病床利用率との関係を見ながら病床管理をする必要が出てきており、担当者の必要性を感じております。

人材確保・研修システム強化の医師確保に関しては、関係医局への派遣のお願いも大事ですが、さらに病院を医師にとって魅力あるものにしていくことが大事と考えております。常勤医に対しては、やる気の出る職場環境や研修体制の充実に力を入れていきます。医師の負担軽減策として平成21年から医師事務補助員を採用し、医師の代行入力、診断書の代書などで極めて効果的でした。今後は他の専門職にもその考えを適応し、看護師や薬剤師、検査技師、理学療法士などの業務も資格が必要でない部分は看護助手、薬剤助手や検査助手、リハ助手に委譲し、専門職が本来の診療に専念出来るような業務の見直しを積極的に行っていきます。学会出張も国内学会だけでなく、国際学会も補助するようにしました。特に2年目の初期研修医が1ヶ月の地域医療研修枠で当院に研修に来ますので、研修医の意見を採り入れながら、さらに研修システムを魅力あるものにします。今年は宮崎大学から4名、熊本大学から1名の合計5名の初期研修医が勉強に来る予定になっています。当院は西臼杵地区に個人開業医が少ないので、一次救急や一次医療の対象となるありふれた病気の患者さんが多い一方で、救急車も年間500台ほど来て、重症者もいます。診断のための画像機器も16列MDCT、1.5テスラMRIとそろっており、夜間・休日でも血液検査や画像検査が可能で、総合診療医の研修には適した医療環境があります。一見、風邪や感染性胃腸炎のような症状、頭痛やめまい、腰痛、関節痛などの一般的な訴えで来院した患者さんから、重大な病気を見落とさないようにする診断力をつけることが大事です。現在、総合診療医として専門医制度ができつつあるので、近い将来、自前の医師確保を兼ねて総合診療医を育てる体制を作っていきたいと考えております。

看護師の研修に関しては、職員面接で勉強意欲のある看護師が少なくないことがわかりましたので、院内で研修体制ができるまで、済生会熊本病院に、研修ルートを作って、昨年秋から、短期ではありますが勉強に行ってもらいはじめました。今後、済生会病院以外にもどんどん研修に行ってもらい、モチベーションを上げるだけでなく、院外で勉強したことは、みんなにフィードバックする体制をつくっていきます。また、認定看護師を増やし、看護師の専門性を高め、医療の質の向上を目指します。昨年12月末に東京にある日本看護協会の看護研修学校の感染管理コースに当院の看護師が見事合格しました。事務長に役場と折衝していただいたおかげで、今年から経済的なバックアップもできるようになりました。他の認定看護師についても、あとに続く人を待っています。

外来患者満足度向上に関しては、接遇委員会で外来患者アンケートをした結果を分析して、待ち時間対策を行ってもらいました。概ね患者さんの評判もよく、患者さんに見える形で地道に改善を続けていきます。

「職員が考える今後の病院の課題」の四位が病病連携強化でした。顔の見える救急連携が重要と考え、昨年9月に第一回西臼杵救急医療研究会を立ち上げ、熊本赤十字病院の救急部長の奥本先生に来ていただきました。今年も2月1日に第二回の西臼杵救急医療研究会を開催の予定で、県立延岡病院循環器科の山本先生に延岡病院の救急体制と循環器救急の現状の話をしてもらう予定です。

あと、五位がコスト削減、六位がビジョンの策定でした。コスト削減に関して重要なことは医師を初めとする全職員がコスト意識を持つことです。今年は経営状態も厳しくなっていますので、部門別収支のデータを十分に活用しながら、職員一人一人が今何をなすべきか、を考えながら仕事をしてもらいたいと考えます。また、コスト削減の一方では医業収入増加を図る必要があります。病院の主な収入は診療報酬がすべてです。管理加算につながる積極的な施設基準の届出や診療報酬の請求漏れがないよう努力していきます。

最後に病院のビジョンの関しての話しです。当院は、「西臼杵地域での真の中核病院となって、それを中心とした包括医療センター」を目指しています。私の考える西臼杵の中核病院とは、充実した二次救急、二次医療ができて、西臼杵医療圏2万2千人はもとより、もっと広域から患者さんの集まる病院にすることです。交通の発達や情報の発達により、住民の医療に対する要求は高くなっており、田舎だからといって、不十分な医療が容認される時代ではなくなってきています。公的病院の評価の第一は、あくまで地域住民の正当な医療ニーズに対してきちんと対応可能な病院を作り上げているかどうかです。医師をはじめ職員においては患者さんにベストを尽くそうという意識を肝に銘じ、常に自らのスキルアップを心掛けて下さい。年度内に将来ビジョンに向けての医師全員と管理職による管理職研修会を開催し、救急体制をはじめ、いくつかのテーマに沿って議論してもらい、各診療科の将来構想も含めて3年間の中期活動計画を立てるようにしました。これは毎年の目標の活動検証も同時に行い、年1回の定期開催の予定です。包括ケア・終末期問題は住民の理解や意識、価値観などが深く関係するので、副院長の興梠先生に昨年同様に公開講座開催や住民勉強会開催でリビングウィルなどの住民の啓発活動を進めてもらいます。

最後に、職員の皆さんには、患者さんへの「挨拶」「笑顔」「気配り」、職員同士の「挨拶」「笑顔」「気配り」、をもう一度ここで強調しておきたいと思います。病院を明るく雰囲気をよくする最も簡単な方法です。

平成25年が患者様にとって、職員にとって、病院にとって希望に満ちた明るい年になるように今後の活動目標と、院長としての考えを述べ、年頭のご挨拶とさせていただきます。今年も頑張っていきましょう。宜しくお願いします。

平成25年1月
病院長 箕田 誠司

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