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研修医奮闘記

研修医奮闘記

当院にて地域医療研修に参加した研修医のコメントを掲載しています。

平成28年11月

地域医療研修を終えて

興梠 貴俊
宮崎大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター

11月の1ヶ月間、高千穂町国民健康保険病院で地域医療研修をさせていただきました。私が高千穂を選択したのは、地元で馴染みがある地域であり、更に歴代の先輩方から勧められたこともあって選択しました。
私が住んでいた時と比較すると、高千穂の町並みも変わり、東九州自動車道の整備により宮崎市や延岡市内からのアクセスは格段に改善していました。「病院も綺麗で、市内や熊本県へのアクセスも良くなっている。地域医療の中でも恵まれている方なのではないか。」ということが最初の印象でした。
 
しかし、往診に同行させていだいた際、車で約30〜40分かかる地域を訪問し、限られた時間の中で1日数人しか診療できない現状がありました。町内の病院の数も少なく、高齢の方が通院するにも一苦労で、交通手段も無い、という一種の医療格差を感じました。高千穂町の人口は約1万2000人、その中で65歳以上を占める割合は38%を超えています。外来や入院患者の年齢も80〜90歳台が多い印象でしたが、ご高齢ながらも独歩で来院されている姿を見ると、本当にお元気な方が多いなと感じました。
 
それぞれの地域で、ニーズに合った医療を提供することが理想ですが、容易なことではありません。高千穂町では病院スタッフ、行政や地域住民とのつながりが強く、より良い医療や介護の提供、制度の整備を目指し日々精進されている方々がおられて、地域医療は支えられていると感じました。
 
1ヶ月間という限られた期間の中で、訪問診療や訪問看護、地域包括、開業医研修、施設研修など様々な角度から地域医療を学び実感することができました。
地域医療の魅力は、患者だけでなく、その家族や住んでいる地域など、様々なバックグラウンドを把握できるということからも、疾患だけではなく「人を診る」という点にあると私は考えます。これは当たり前のことかもしれませんが、医療の原点とも言えるのではないでしょうか。
 
地域医療研修で高千穂を選択し、充実した1ヶ月を過ごすことができました。
ご指導いただきました久米院長先生、内科の押方先生をはじめ、病院のスタッフの方々、そして地域の方々にはとても感謝しています。本当にありがとうございました。
今後、地元である高千穂町に医療を通じて貢献したいと思います。
佐藤元二郎先生との写真

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