このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。

肺炎を予防しよう〜肺炎球菌ワクチンについて〜

内科医師　黒木大介
平成28年11月

　例年より長かった夏が過ぎ、肌寒い季節になってきました。暖かかった時期から急に寒くなるこの時期は、体調を崩しやすく体調管理が重要な時期です。特にご高齢の方は免疫力も低下してきており、肺炎を来たし入院加療を要する方もいらっしゃいます。
　現在、日本において肺炎は死亡率第３位の疾患です。そして肺炎を患って亡くなる方のなんと95%以上が65歳以上の方と言われています。肺炎予防のために普段からできる健康管理として、うがい、手洗いやマスクの着用があり、最近では口腔ケアの重要性も注目されています。それに加えて、肺炎予防として予防接種があるのをご存知でしょうか。
　肺炎予防対策としての予防接種には２種類あります。ひとつはインフルエンザの予防接種、そしてもうひとつが「肺炎球菌ワクチン」です。肺炎の原因菌は多数ありますが、その中でも最も頻度が高い「肺炎球菌」に対する予防接種を行う事で、肺炎を患うリスクを軽減すること、肺炎を患った際の重症度を軽減する事が期待されます。
　平成26年度より高千穂町でも肺炎球菌予防接種が定期接種となり、対象者には費用の助成を行っています。
　この予防接種は効果が５年間持続しますので、一度接種されれば、次回の接種は５年後となります。
　接種希望の方がおられましたら、かかりつけの先生や当院にご相談下さい。

記事一覧に戻る