燈々無尽
このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。
第48回
内服薬について
院長 久米 修一
平成30年10月
特に高齢になると、複数の持病を持つ人が増えてきます。そして、それに対して使用される薬も多くなります。また、加齢に伴って消化吸収や代謝機能が衰えるため、薬の効き目が弱い場合や、逆に強すぎてしまう場合があり、若年者より副作用のリスクが高まります。
厚生労働省は、多剤服用の中で害をなすものを特にポリファーマシーと呼び、薬物有害事象のリスク増加、薬の飲み間違い、飲み忘れなどの問題につながる状態と指摘しています。
何剤からポリファーマシーとするかについては、はっきり決まっていません。6種類以上が特に薬物有害事象の発生増加に関連したというデータもありますが、病気や病態によっては、6種類以上の薬が必要な場合もあります。
また、当院の他の診療科からもらっている薬は、電子カルテを見ればわかりますが、他の病院や診療所から処方されている薬は、当院ではわかりません。「お薬手帳」などで、教えていただくことが必要です。
薬は優先順位を考えて、最小限のものを使った方が良いと考えられます。ご自分で判断して、薬を減らすのは危険です。まずは、それぞれの診療科の外来担当医に相談してみてください。
※日本老年医学会のホームページでは「高齢者が気をつけたい、多すぎる薬と副作用」と言うパンフレットを公開して注意を呼びかけています。