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コラム ~燈々無尽~

燈々無尽

このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。

第49回

ノロウイルス感染症対策

感染管理認定看護師 興梠 裕樹
平成31年1月

 冬は様々なウイルス感染症が流行します。今回はその中でも代表的なノロウイルス感染症についてお話します。

 ノロウイルス感染症の感染経路(どのように感染するのか)は、①感染者の便や吐物に含まれているノロウイルスに触れた手で鼻や口を触り感染する経路(人からの感染)と、②感染した人が調理などをして汚染された食品を食べた場合や、ウイルスの蓄積した加熱不十分な二枚貝などを食べて感染する経路(食品からの感染)の二つがあります。ノロウイルスと聞くと②食品からの感染が多いイメージですが、約7割は①人からの感染と言われています。
 
 ノロウイルス感染症にならないための感染対策は大きく三つあります。一つ目は手洗いです。ノロウイルスは環境に最長2ヶ月生存できるため、知らない間に手に付着している可能性があります。特に外出時は様々な物に触れる機会が多いので、そのリスクは高まります。定期的に手洗いをし、帰宅時や食事前は必ず手洗いをすることが大切です。また不用意に鼻、目、口などに触れないよう心掛けましょう。
 
 二つ目は人からの感染を防ぐことです。人からの感染を防ぐには適切な便・吐物処理が重要です。便・吐物で環境が汚染した時は、半径2mの範囲をきれいに拭き消毒しましょう。拭き消毒には0.1%次亜塩素酸ナトリウムが効果的で、500mlのペットボトルに水500ml入れ、ハイターをペットボトルキャップ2杯分(約10ml)入れることで簡単に作ることができます。便・吐物がカーペットなどに付着した場合は、スチームアイロンで2分間加熱すればよいでしょう。
 
 三つ目は食品からの感染を防ぐことです。調理器具は使用後すぐに洗って清潔に保ちましょう。熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱消毒も効果的です。二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品は、中心部を85℃~90℃で90秒以上の加熱をするようにしましょう。

 ノロウイルスは目に見えないからこそ、日頃の感染対策が重要です。ノロウイルス感染症予防の三つの対策を実施して冬を乗り切りましょう!

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