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院長の部屋

ごあいさつ

病院長の画像

2013年6月 新年度を迎え

本年4月で院長に就任して1年が経ちました。安全、安心の質の良い医療を提供すべく、職員アンケートで得られた結果および私自身が改善が必要と考えた点を中心に、この1年間活動をしてきました。その要点は職員自らが患者中心の目線で業務改革していく思考ができるように意識改革をもたらす点にあり、私自身も常にそのことを意識した言動をしてきました。今年の3月に各部署の現状と今後の課題をテーマとして第1回の院内学会を開催し、病院機能評価機構の評価項目に照らし合わせた結果を発表してもらい、問題点を共有しました。4月からは問題点の改善を具体化するために、小児科の興梠副院長を中心に各職種から構成した院内改革プロジェクト委員会をつくり、隔週で活動を開始しました。今後は病院全体一丸となった活動に発展していくように後押ししていく所存です。ゴールは、「患者目線の病院」や「職員が大事な家族を任せられる病院」の実現ですが、具体的には病院機能評価をクリアできるレベルが当面の目標です。他に新たに4月から始めたこととして、朝の当直報告会があります。当直業務への労いや当直帯の情報共有を目的として平日の毎朝8時半に医局に当直医を含む全医師、当直看護師、総師長、事務長が集まり、当直報告を中心に申し送り、入退院報告、救急車搬入や搬送報告、業務連絡をするようにしました。今後も少ない医師数ですので、医師の連携を強化していきたいと思います。

平成25年4月現在の病院の診療体制は、常勤医師は9名、病床は120床すべてが一般病床で、10対1看護を維持しており、非常勤職員を含む、約180名の体制で運営しています。標榜科目9診療科のうち、内科、外科、整形外科、小児科は常勤医師による診療ができていますが、循環器科、眼科、泌尿器科、皮膚科、耳鼻科は非常勤医師による曜日限定の外来診療のみです。残念ながら、眼科は熊大眼科医局の事情により、この4月から非常勤診療になりましたが、白内障手術の必要な患者さんが多いため、週2日の外来日のうち、1日は午後に手術してもらっています。人工透析も熊大血液浄化部の非常勤医師によるサポートを受けながら約70名の患者さんの維持透析を維持しています。

内科は常勤内科医として昨年12月に工藤静医師、今年の4月からご主人の工藤丈明医師を宮崎県から派遣していただいて、内科3名体制が確保できました。全員自治医大卒の医師になりましたが、特に義務年限明けで3年前から勤務の押方慎弥医師は高千穂出身でもあり、内科医長兼臨床教育部長として、内科の指導的立場にあります。地域医療枠で勉強に来る2年次の初期臨床研修医教育(今年は宮大4名、熊大1名が研修予定)にも中心となって頑張ってくれています。最近は大学医局頼みの医師確保も困難なため、地域医療枠研修医教育の実績を積み重ね、将来的に総合診療医の研修施設として地域に残る医師を育てる方向に持っていきたいと思っています。

外科は私を含め、この4月から病院運営強化のため副院長になった勤続16年目の秋月英治医師、新任の熊大消化器外科より異動になった尾崎宣之医師の3人体制が維持出来ることになりました。高齢者にやさしい低侵襲の腹腔境手術を推進するために、最新の腹腔鏡手術機器の購入を予定していますし、ERCPやESTなど、地域のニーズにあった処置を新たに開始し、地元で高齢者の治療が完結するように努力しています。

整形外科は、唯一、地元宮崎大学の整形外科からの派遣で、当院での勤務経験もおありの帖佐悦男教授に地域医療へのご配慮を頂き、医局のやりくりも大変ななか、塩月康弘医長と福島克彦医師の2名を派遣していただいています。高齢者の転倒骨折や変形性関節症の手術の必要な患者さんが多いこともあって、大変助かっています。寝たきり予防として帖佐教授が力を入れておられるロコモ予防推進活動を高千穂でも実践したいと思っています。

平成24年度の診療実績は外来患者数は約400名/日、入院患者数は約90人/日、病床利用率は約70~80%で、平均在院日数は約21日でした。検査件数は食道胃内視鏡約1200例、大腸内視鏡約400例、腹部エコー約700例、16列CT約2300例、1.5T MRI約500例、心エコー約500例などでした。休日や夜間も呼び出しではありますが臨床検査や画像検査も必要に応じて行っています。麻酔医はいませんが、手術総件数は約500件で内訳は胆石、アッペ、ヘルニアの他、胃癌や大腸癌など外科が約40件、整形が骨折を中心に人工関節置換(股関節や膝関節)など約170件、眼科が白内障手術を中心に約280件などです。胃ろう造設も約20件ほどありました。

救急車搬入は約400台、Drヘリ搬送要請12件(1件はあおぞら)でした。高次病院への救急搬送は当院で対応ができない脳出血と心筋梗塞の患者さんを中心に毎年約80件ほどあり、搬送先は県立延岡病院と済生会熊本病院がそれぞれ半々であわせて90%を占めています。平成27年4月1日から、西臼杵3町の統合消防本部および消防署が常設されることが決定しており、近い将来、救急車搬入が増加することが予測されています。

高千穂町も人口が1960年の約27,000人をピークに現在約13,000人まで減っており、高齢化率は35%です。人口は2025年には約10,000人まで減少することが予測されています。人口減少および高齢化は西臼杵3町共有の問題で、今後の医療・福祉を考えるうえで、公立病院改革ガイドラインで示された集約・ネットワーク化の方向性は避けて通れない問題と考えます。近々、病院の理念と基本方針も今後の病院ビジョンに合わせて改訂の予定です。住民の理解を得、西臼杵郡医師会のご協力を仰ぎ、また、病院の改革と連動させながら、行政とともに、その解決を目指していく所存です。

平成25年6月
病院長 箕田 誠司

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